23日における東京外国為替相場の対顧客売価格は、ユーロが126.00円になっています。
急激な円高ユーロ安です。ほんの数カ月まで160円台にまでユーロ高円安に振れていたのが、ウソのようです。
去年から今年前半にかけてじりじりと円安ユーロ高となり、「ユーロの実力以上の値がついている」と為替の素人なりに怒っていたのです。この傾向はカルメン(スペイン料理店)にも大きな影響を与えていました。ユーロ建てで支払われているスペインワインの値段が高騰して、日本国内の輸入エージェンシーが、次々と価格改定(値上げ)していったのです。
スペインがユーロを導入した1999年より以前、日本のワイン輸入業者は、スペインの通貨であるペセタではなく、「世界通貨」というべきドルで決済していたのです。つまりドルの圧倒的な浸透性の前で、ペセタはどちらかというと「三流通貨」の位置に甘んじていました。それが、ドル、円につぐ浸透性をもったユーロの出現によって、スペインの為替と商品の位置もレベルアップしたのです。
ところが、円とドルはその時々の経済と市場原理で上下するものの、円とユーロは、対ドルとの世界経済のダイナミズムと少し違った原理で動いているのか、円安傾向が止まらなかったのです。この理由はいまも分かりません。
それが最近になって、世界同時不況の気配がヨーロッパ(ユーロ通貨圏)に蔓延する怖れが発生したことで、不況の傷が浅いだろうとみなされている日本の円が買われている、とみなしたらいいのでしようか。
この円高ユーロ安は、輸出業者にとっては痛手ですが、カルメンのようにスペインワインと食材を購入する立場からすると、いいことです。ぜひ、輸入業者のみなさんはユーロ安をいかした還元セールスをやってほしいものです。それはとりもなおさず、お客様の利益に直結することですから。