第18回ロルカ詩祭が8月15日(土)に開催されます。
今年も、「ロルカ詩祭」を開催します。1998年のロルカ生誕100周年から始めた詩の朗読イベントです。今回で18回目となります。8月に開催するのは、1936年にスペイン内戦が勃発してまもなくの頃に、ファシスト勢力によってロルカが暗殺された8月19日に近い土曜日を選んで開催するためです。
この詩祭は二部構成。第一部は、フェデリコ・ガルシア・ロルカの詩作品の朗読(スペイン語、日本語ほか)、第二部はロルカの詩世界によせた自作品の朗読です。毎回濃密な朗読会が開催されています。朗読者のバックで演奏するのは、キーボード奏者の春間げんさんです。
席に余裕ありです。この詩祭は、毎年夏に神戸で行われている詩の祭典です。朗読という声のつらなりと語りのかさなりが縦横に展開されます。
今年も第一部で、ラテン・アメリカ文学者の鼓直氏が、あらたなロルカ詩の翻訳をひっさげて参加されます。
☆第18回ロルカ詩祭
吟じられるのは
抒情
鎮魂
あるいは
沈黙
☆〈出演者〉
ゲスト詩人/海埜今日子、飛火野 椿
演奏/春間げん(キーボード)
(朗読者)アグスティン、安西佐有理、得平秀昌、大西隆志、大橋愛由等、黒田ナオ、今野和代、千田草介、高谷和幸、鼓直、 富 哲世、にしもとめぐみ、福田知子
☆ 〈 詩祭スケジュール 〉
8月15日(土)午後5時 開場
[ 1部 ]PM5:30〜PM6:00
ロルカ詩の朗読
[ 2部 ]PM6:15〜PM8:30
詩人たちの自作詩朗読
《場所》スペイン料理カルメン(神戸市中央区北長狭通1-7-1
電話078・331・2228 〒650-0012)
JR・阪急・阪神・地下鉄「三宮駅」から徒歩三分。
《料金》Aコース/3600円(チャージ込み)(1)夏の特選スープ(2)季節のサラダ(3)メインディッシュ(4)パエリア
(5)コーヒー(6)デザート
Bコース/2000円(チャージ込み)(1)ワンドリンク(選択可)(2)スペイン産チョリソー
《特典》当日参加者の方全員に、第二部参加の詩人たちが朗読する詩作品掲載の『八月一九日詩集・vol.18』を進呈します。
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☆迸(ほとばしる)るドゥエンデの場「第18回ロルカ詩祭」へ
今野和代
見ていたい。こどもがオレンジの実を食べるのを、農夫たちが麦を刈り取るのを。だから「わたしが死んでも露台(バルコニー)は開いたままにしておいて」。そんな「別れ」の詩のフレーズを書いたロルカ。アンダルシアですら滅びかけていたヒターノによる土着のフラメンコを愛し、奔走して蘇らせたロルカ。詩人で朗読家、脚本家で演出家、作曲家で演奏者、絵を描く人でもあった。自らを「アナキスト、コミュニスト、自由主義者で、カトリック、伝統主義者、王政主義者」と語った。38歳の彼は、スペイン内戦のさなか1936年8月19日から20日未明かけてのグラナダ郊外ヴィスナルのオリーブ畑で、ファランヘ党により銃殺された。フェデリコ・ガルシア・ロルカへの敬愛と哀悼、阪神・淡路大震災で犠牲となられた人々への鎮魂と復興へのおもいを込めて1998年より神戸の地で「ロルカ詩祭」が開始され、今年で18回を迎える。広島・長崎の原爆投下そしてアジア太平洋戦争終結から、きっかり70年。阪神・淡路大震災から20年。東日本大震災から4年。ネパール大震災から4カ月。星座と海の詩人寺岡良信を失って2カ月の夏でもある。戦争と厄災と死の脅威と無惨と空白は、今なお私たちを襲い苛み、深い喪失感と悲しみの底に突き落とす。2015年8月15日。「ただなか」という一人ひとりの切実な現実を抱えながら、会場となる老舗「カルメン」での詩祭には、出会いと戦慄、声と音楽、沈黙と発語と身体とスピリッツによる、名づけることのできない新鮮な時間が流れるだろう。ロルカが「霊感の瞬間的な噴出、真に生命あるものの紅潮。演者がある瞬間に創りだす全てのもの」と言った「ドゥエンデ」の場が出現するはずだ。マルケス『百年の孤独』、ボルヘス『伝奇集』翻訳者の鼓直氏のご出演を今年も得た。 東京から海埜今日子さんと飛火野 椿さんをお招きする。どうかみなさま、ふるってご参加ください。
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